2013/10/23

【記事20131023】キムチの国」韓国、キムチから手を引く(1)(2)

【記事20131023】キムチの国」韓国、キムチから手を引く(1)
中央日報2013/10/23 http://japanese.joins.com/article/430/177430.html?servcode=300&sectcode=300

「先週ホワイトハウスの菜園の白菜(Napa cabbage)でキムチを漬けました。皆さんも一度お試しください」。今年2月、ミシェル・オバマ米大統領夫人がホワイトハウスのファーストレディーのツイッターにキムチの写真とともに載せたコメントだ。ミシェル夫人は「簡単なキムチを自分で漬けてみよう(Make your own simple Kimchi)」と調理法も紹介した。西欧社会でも韓国のキムチが普遍化したことを傍証する事例だった。 

韓国農水産食品流通公社(aT)によると、韓国は昨年、日本をはじめ世界62カ国にキムチ1億660万8000ドル分を輸出した。重さにすると約2万8000トン。キムチ輸出では過去最高実績だ。最大の輸出先は日本で、輸出額全体の80%を占める。次に米国、香港、台湾の順だ。しかしキムチ宗主国の韓国のキムチ自慢はここまでだ。

21世紀の韓国キムチ産業は“三重苦”の重病を抱えている。中国との競争、国内の原材料需給不均衡、キムチ消費の減少だ。 

韓国はキムチ宗主国だが、キムチ輸入国だ。金額基準では2006年から、重さでは2004年からキムチの輸入が輸出を上回る。昨年、韓国は1億660万8000ドル分のキムチを輸出、1億1084万2000ドル分を輸入し、423万4000ドルの貿易赤字となった。今年1-8月のキムチ貿易赤字は765万8000ドルと、赤字額は今後もさらに増える見込みだ。さらに漬け白菜などキムチの材料として輸入する白菜を含めると、赤字幅はさらに膨らむ。白菜の輸入は2010年500万ドルに迫ったが、2011年は200万ドル、昨年は90万ドルと減っている。しかし韓国国内の白菜価格が急騰すれば、いつでも白菜輸入額は増えるしかない。

韓国がキムチを輸入する国は中国だ。昨年のキムチ輸入額のうち90%(1億1082万6000ドル)以上を中国から輸入した。事実上、すべてのキムチを中国から輸入している。統計上の残りの輸入額は、輸出された製品が返品されたケースだというのがaT側の説明だ。一方、2011年まで20万ドル分以上だった対中国キムチ輸出は昨年1万5000ドルに減り、今年はそれも完全に中断した。セヌリ党の李雲竜(イ・ウンリョン)議員は「今年1-8月、国産キムチの輸出額は前年同期比14.2%減ったが、同じ期間、キムチの輸入は12.4%増えた」とし「キムチ貿易の赤字額が765万8000ドルにのぼるほど、キムチ輸入国に転落した」と述べた。 

キムチ輸出中断の原因は、中国が韓国のキムチに対して別途の衛生基準を設けず、「100グラムあたり大腸菌群数が30匹以下」という自国の「泡菜(漬け野菜)」基準を適用しているからだ。泡菜とは、塩や山椒の葉・唐辛子・水などを入れて沸騰させ、冷ました後、各種野菜を入れて発酵させ、殺菌した製品をいう。大腸菌群が完全に死ぬため、厳格な基準を適用することができる。

しかしキムチは違う。特性上、熱処理をせず自然熟成するため、乳酸菌などの各種菌がそのまま生きている。また自然に形成される大腸菌群があり、中国の泡菜衛生基準を通過できない。したがってその間少量ではあるが中国に輸出していたキムチは加熱処理したものがすべてだった。キムチに入っている大腸菌群は初期に一部あるが、熟成過程で消え、害になるレベルではない。輸入食品に対する衛生基準が厳しい日本も韓国キムチを問題なく輸入しているのがこれを証明している。 

中国が韓国産キムチ輸入に泡菜の基準を適用したのは2004年からだ。しかし韓国政府は2009年になってから中国政府にキムチ衛生基準の改正を要請し始めた。しかし中国側の協力がなく、現在まで進展はない。主務部処の農林畜産食品部も事実上、手放し状態だ。農食品部内でキムチ産業を担当する公務員はわずか一人だが、最近異動し、1カ月間ほど空席だ。

【記事20131023】キムチの国」韓国、キムチから手を引く(2)
中央日報2013/10/23 http://japanese.joins.com/article/431/177431.html?servcode=300&sectcode=300

中国人の間で韓国キムチの正式名称なく「韓国泡菜」と呼ばれているのも難しい点だ。韓国固有の食品として待遇を受けるのではなく、中国泡菜の亜流と認識され、輸出の困難に加え、認知度を高めるうえでも限界がある。

これでも中国人の間で韓国キムチの需要がないわけではない。仁川空港免税店のキムチ販売額資料を分析すると、この5年間のキムチ販売総額97億ウォンのうち中国旅行客が占める割合は41.4%にのぼる。特に今年1-8月は中国人の比率が50%を超えている。

李雲竜議員は「中国の高所得層と海外同胞を対象にした新しいキムチ輸出活路を模索する必要がある」とし「中国政府を相手に相互主義に基づいた強力な外交的対応が必要だ」と述べた。
韓国キムチの中国輸出が枯死したのとは対照的に、中国キムチは韓国市場で広まっている。韓国国内の高級店を除いたほとんどの飲食店は、中国キムチを出している。国産キムチとは比較にならないほど安いからだ。韓国キムチの年間平均卸売価格が1キロ3000ウォンなら、中国キムチは1キロ700-800ウォンと、4分の1にすぎない。新聞やテレビで不衛生な中国キムチ製造現場が報道され、社会問題になっているが、販売にはいかなる影響も及ぼしていないのが現実だ。

世宗市のある食堂の経営者は「外国の食堂のようにおかず代を受けるわけでもなく、客が要求するだけ出すのが我々の文化ではないのか。中国産キムチの代わりに国産キムチを出せば客が安心して喜ぶかもしれないが、そうする場合、結局、料金を上げるしかない」と話した。

中国産キムチが流通過程で国産に偽装されて販売されることも多い。農食品部の「キムチ原産地未表示および偽装表示による摘発現況」によると、2009年147件にすぎなかった摘発件数は昨年821件と5.6倍も増えた。今年は1-8月で695件と、前年同期比27%も増えている。

さらに国産キムチ輸出の80%を占める対日本輸出も減少している。2011年8681万9000ドルだった対日本キムチ輸出は、昨年8458万8000ドルに減り、今年1-8月は前年同期比20%減の4580万ドルとなっている。円安に加え、過去の問題で韓日間の葛藤まで深まったからだ。2005年のキムチ寄生虫卵問題による、韓国産キムチの衛生レベルに対する信頼低下も理由だ。 

日本のキムチ市場は年間8億3000万ドル(約22万トン)にのぼる。aTによると、日本のキムチ市場は90%が日本国産が占め、韓国産キムチの輸入は8.4%にすぎない。残り1%は中国産キムチを輸入している。aT輸出振興チームのベク・ユテ課長は「韓流ブームのおかげで日本でも韓国式キムチを求める人が少なくない」と述べながらも、「基本的に日本人は、唐辛子や調味料の量を調節して辛さを減らし、あまり熟成・発酵させない日本式のキムチを好む」と伝えた。

韓国内では白菜・唐辛子のような原材料需給不均衡も国内キムチ産業を難しくする要因の一つだ。例えば白菜価格は季節によって大きく変わるが、市販白菜の価格にそのまま反映させることはできない。白菜価格は最も安い時期と高い時期の差が10倍以上になるが、市販キムチの価格は年中同じだ。 

国内キムチ市場1位の宗家キムチを生産する大象FNFのムン・ソンジュン・マーケティング部長は「キムチを漬ける季節に白菜の価格が急激に上がれば、普段はキムチを漬けて食べる人たちも市販キムチを購入するため供給が追いつかないが、それでも国産の白菜を中国産に変えたり、値上げをするのは難しい」と話した。 

キムチのグローバル化とは別に、国内では年々キムチの消費が減っているのも、キムチ産業を難しくする要因の一つだ。保健福祉部の国民健康統計によると、国民1人あたりの一日のキムチ消費量は1998年83.8グラムだったが、2011年には68.6グラムと20%近く減った。農村経済研究院の調査研究によると、国内のキムチ消費量が減少している理由は、最近、洋食が増えておかずが多様化し、男性よりも女性が、壮年層よりは低年齢層がキムチの消費を減らしているためと分析されている。 

パク・ジョンチョル順天大キムチ研究所長は「韓国のキムチが日本では衛生問題などで苦戦し、中国では貿易外交問題で輸出自体が封鎖されている」とし「日本に集中しているキムチ輸出市場を米国や東南アジアなどに多角化し、世界最大のキムチ市場となる可能性がある中国の門を一日も早く開く努力が必要だ」と述べた。

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2013/10/22

【記事20131022】乳酸菌がリノール酸から合成 京大、脂肪酸の生成過程解明


【記事20131022】乳酸菌がリノール酸から合成 京大、脂肪酸の生成過程解明
 京都新聞2013/10/22 http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20131019000057

代表的な腸内細菌の乳酸菌が植物油に含まれるリノール酸を別の物質に変える過程で作られる脂肪酸の種類と生成の仕組みを、京都大農学研究科の小川順教授や岸野重信助教らのグループが解明した。がんや肥満に効果があるとされる脂肪酸が含まれており、健康食品への応用が期待できるという。米国科学アカデミー紀要でこのほど発表した。

乳酸菌は免疫力向上などの効果が知られている。リノール酸を取り込んでオレイン酸を合成するが、その過程は分かっていなかった。

グループは、漬物やキムチに含まれる乳酸菌「ラクトバチルス・プランタルム」で調べた。乳酸菌内でリノール酸に四つの酵素が順に働き、抗がん作用や肥満の改善効果があるとされる複数の脂肪酸が途中の段階で作られることを突き止めた。さらにマウスの実験で、これらの脂肪酸は乳酸菌から排出された後、腸で吸収されることも分かった。

小川教授は「健康によい脂肪酸を多く生成する乳酸菌を選抜できれば、サプリメントなどとして食品に応用できるのではないか」と話している。

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